福祉の街 社長ブログ

YOU ISM ~抽象化された言葉~

 

今年ももう半分を過ぎました。4月に介護報酬改定があり、私たちにとってはあっという間の半年でした。そのような中、当社は6月に創業35年を迎えました。

今回は、創業者安藤が基本理念に置いた「YOU ISM」という言葉について、考えてみたいと思います。

 

(私のYOU ISM)

・自分よりも相手を優先して尊重すること

・自分がされたら嫌なことはせず、自分がしてもらったら嬉しいと思うことを考え、その行為が「相手」が求めている事か、再度考え行動する。

・お客様第一主義。お客様の立場に身を置き、要望・希望を見出し、適切な対応を行う。

・相手に情けをかけるという自分優位のスタンスではなく、あくまで対等というスタンスで向き合ってこそ「YOU ISM」なのだと思う。

 

これは社内研修の際、「あなたにとってのYOU ISMは何ですか?」「YOU ISMをどのように理解していますか?」と質問した際に、職員が答えてくれた内容です。どれ一つ間違っている解釈などなく、むしろ私自身が職員から気付かされます。

 

 しかし基本理念を、例えば「お客様第一主義」と具体的に掲げた方が簡潔・明瞭で、方向がぶれないようにも思えます。

・会社の道標。スタッフにとっては迷った時の心の拠り所。解釈は一人一人違うかも知れないが、自分にとってはそれでいいのだ、と思わせてくれる言葉

 

これも、ある職員が答えてくれた「YOU ISM」です。

私も同感です。むしろ一人一人が解釈する「私のYOU ISM」があっていいと思っています。そして「YOU ISM」という言葉を基本理念に置いている限り、とんでもない方向に解釈がぶれることはない、と私は信じます。なぜなら「YOU ISM」は、とても抽象化された言葉であるからです。

 

(抽象化・抽象的とは)

抽象化・抽象的とは、対象から細部や具体性を取り去り、共通している要素、重要な要素のみを取り出して、一つの概念として定義する」ことです。言いかえれば、物事の枝葉を切り落として、目的や意味、本質を突く言葉です。抽象化の高度な手法として、比喩化(メタファー)があります(例えば「人生は旅だ」「経営はアートだ」)。「YOU ISM」は辞書にはない言葉で、ある意味とても比喩化された言葉です。

 

ですから「YOU ISM」という言葉は、誰もが外さない「あなた主義・相手本位」=「相手を中心に、自分と相手の関係をみる」という、本質をあらわしています。先ほど紹介した当社職員の解釈をみても、みなその点において共通・類似(アナロジー)しています。

 

逆に言えば、「YOU ISM」は抽象的な言葉故に、一人一人が「YOU ISMとは何か」「YOUとは誰か」を具体的に考えたり、想像したりする必要があります。それは、一般的にビジネスで求められる「明瞭」「有益」「簡潔」とは反対の、「曖昧」「無駄」「冗長的」な面をもちますが、私はそのことがとても大切であると思っています。考えることは、人を成長させます。職員同士が議論し合うことは、組織を活性化させます。そしてそこから新しいアイデアや価値が産み出されます。

世界的に知られている経営の名著「知識創造企業」の著者・野中郁次郎氏は、企業の成長や新しい価値の創造過程には、「メタファー」(比喩化)、「アナロジー」(共通化)や「冗長性」(例えば、一見無駄と思われるような情報の共有化)が重要であり、かつての日本企業成功の原因はそこにあったと言っています。私も同感です。

 

YOU ISMは愛である 

最後に、「私(平尾)のYOU ISM」について・・・・・。「YOU ISM」の反対語は、「me ism」=無関心です。マザーテレサやエリ・ヴィーゼルの言葉=「愛の反対は憎しみではない、無関心だ」からすれば、「YOU ISMは愛である」。私なりに抽象化した結論です。


当社も36年目を迎え、「YOU ISM」を道標に、さらに新しい価値を創造していければと思っています。

平尾雅司