福祉の街 社長ブログ

利益計画は「人の居場所をつくる」こと ~「もしイノ」を読んで~

  年の瀬となりました。早いもので、来年度の利益計画を策定する時期となり、クリスマスの24、25日は、終日会議室に缶詰になって、所長たちと来年度計画について話し合いました。

 

(今回のテーマはイノベーション)

先日本屋をうろうろしていると、かつて見たことあるような表紙を発見しました。岩崎夏海さんの「もしイノ」(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら)です。4年前私が社長に就任した頃に「もしドラ」が大ヒットし、私は「真摯さ」、「事業の定義」、「顧客は誰か」についてブログに記しました。「もしイノ」はその第二弾です。

もしイノ表紙.jpg

今回のテーマは「イノベーション」です。ドラッカーは「イノベーションとは意識的かつ組織的に変化すること」であり、「予期せぬもの」をはじめ7つの変化が、イノベーションの機会をもたらす源泉としています。

「もしイノ」では、高野野球をめぐる7つの変化を具体的に示しながら、次々とイノベーションを起こしていきます。その結果、高校野球部の組織は前作の「野球をする組織」から「マネジメントを学ぶための組織」へ進化していきます。そして、「アイデア」「小さなスタート」「説得」「型を作る」「最大ではなく最適」等、生きていく上での多くの智慧が盛り込まれており、しかも「干物を水に戻す」ように具体的にわかりやすく描かれています。


 

(キーワードは居場所) 

 今回の「もしイノ」での岩崎さんのキーワードは「居場所」です。

ドラッカーはマネジメントの3つの役割の一つに「仕事を通じて働く人たちを生かす」としており、私は以前からドラッカーは「人を育てること」よりも、「人を生かすこと」に主眼を置いていたのではないかと思っていました。岩崎さんは「もしイノ」の中で、「人が生き生きする居場所を作ることがマネジメントの役割である」ことを繰り返し繰り返し述べています。

 

(利益計画は人の居場所つくり)

私はふと、先日2日間の利益計画の会議を思い浮かべました。利益計画というと、どうしても数値が先行します。人のことに関して言えば、介護保険では定められた要員基準があり、「●●事業では人工以上の人が必要」とか、やはり数値が先行します。

しかし「もしイノ」を読み終えて、利益計画の本来の目的は、「人の居場所をつくる」ことではないかと思うようになりました。一つは「●●事業に●●さんが適している」というような、人の居場所を探す=マーケティング発想の居場所つくりです。もう一つは「●●さんがいるから(●●さんの強みを生かして)●●事業をやろう」というような、人の居場所を生み出す=イノベーション発想の居場所つくりです。そしてこのように考えると、数値中心の堅苦しい利益計画も、人間中心のワクワクするような利益計画に変わります。

 しかし一方で、「もしイノ」では厳しい場面もでてきます。「野球は上手いけれど練習をさぼる選手と、野球は下手だけれど一生懸命練習のどちらを起用するか」という問いかけです。質問者の用意した答えは「どちらも起用しない」です。

「どちらもできる人をつくるのがマネジメントの仕事」としながらも、ドラッカーの言う「真摯さ」を一人一人が持ち合わせ、自分の居場所をつくるよう、まずは自身で努めて欲しい。私はそう思っています。 

 

ワクワクする?利益計画作りは年を越して、しばらく続きます。来年もよろしくお願いいたします。 

平尾雅司