福祉の街 本社

スポーツジャーナリスト 二宮清純氏 講演

 車両保険でお世話になっている あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 の会合にて、スポーツジャーナリスト二宮清純氏の講演をお聴きする機会がありました。その中で、印象に残りましたお話をいくつかご紹介したいと思います。

 

「準備力 ~準備なくして勝利なし~」

シドニーオリンピック・マラソンの金メダリスト高橋尚子選手は、サングラスを外してスパートをした35km付近で極秘合宿をして準備をしていた。また、サングラスを拾った高橋選手の父親は、偶然そこにいたわけではなく、スパート位置の目印として立っていた。そういった「準備力」が勝利につながる。

 

「弱者は敗者にあらず、強者は勝者にあらず」

ヤクルト時代の野村監督。4番バッターが巨人に移籍し、下位予想されていたシーズンスタート時、「今年の優勝はうちで決まりだ!」と宣言。周囲は冷ややか。ところが、緻密な分析(準備)により見つけた巨人の当時のエース斉藤投手の投球パターンから、広島を解雇された小早川選手に「一つだけ」指示をして見事に1試合3ホームラン。そして優勝。ポイントは「準備」と「明確な(一つだけの)指示」。弱者であっても知恵を使えば勝者になるが、強者でもおごれば敗者となる。

 

「欠落力=集中力」

新人時代の長島氏。「ところで長島くんは立教大学の何学部なんだい?」という質問に、「もちろん野球部です!」と答える。長島氏の逸話は、常識の無さ「欠落力」に関する事が多い。しかしそれは大事な事以外全て忘れる「集中力」を表してもいる。こういった天才肌の人がブレイクスルーするのであり、理知的な秀才よりも、常識は無いが天才的なヒラメキや集中力がある人をもっと大事にすべき。

 

「リーダーが変われば組織は変わる」

サッカーJリーグ初代チェアマン川淵氏の蛮勇とも言えるリーダーシップが無ければ、現在のサッカー人気はなかった。Jリーグ発足前のサッカー協会理事会で、プロ化について「時期尚早」「前例がない」という意見が出て頓挫しかけたが、川淵氏の「時期尚早と言う人は100年経っても時期尚早と言う。つまりやる気がないということだ。前例がないと言う人は200年経っても前例がないと言う。つまりアイデアが無いということだ。この会議では出来ない理由を口にするな!」という一喝でプロ化が進んだ。川淵氏を独裁者、暴君と悪く言う人は多いが、理屈や理論だけで組織は動かない。リーダーのブレることない覚悟、決断が必要。

 

「判断よりも決断」

プロ野球チーム日本ハムの三沢スカウト部長。イチローの素質を子供時代に見抜き、通い続け、イチローの父親からも「是非日本ハムに」と言ってもらえるまでになっていたが、ドラフト会議の際、3位指名を球団に進言したが、無名という理由で5位指名と決められた。将来の三冠王の素質を持つ選手であると「判断」してはいたが、球団の決定を覆そうという「決断」が出来なかった。その結果、4位指名でオリックスに入団。このことを三沢氏は後悔し続ける。それから時が経ち、日本ハムが北海道に移転する際、新庄選手の獲得を球団に進言したが、球団からはチャラチャラしているという理由で反対される。しかし、今回は辞表を携えて「新庄の足と肩は広い球場で活きるし、何より北海道のファンを獲得出来、大勢のファンに応援してもらえることで選手が育つ」とせまり、新庄獲得となる。三沢氏の「決断」により、日本ハムは北海道で愛されるチーム、強いチームになった。

 

「21世紀のリーダーの条件」

Passio

情熱

Mission

大義(使命感・理念)

Action

行動(率先垂範)

年齢、性別に関係なく、こういった要素を持った人がリーダーとなるべき。

 

「良きリーダーたらんとする者は、まずよき背中を持て」

イタリアのサッカー指導書より引用「il bello dorso(毅然とした背中)」。ローマ帝国の帝王学にも書かれてある言葉。

今、日本で一番いい背中を持っている人、なでしこジャパンの前キャプテン澤選手は、大事な試合前に「苦しくなったら私の背中を見なさい」とミーティングで選手に伝える。選手は澤キャプテンの背中を「希望・勇気をくれる灯台」と評す。

「子供は親の顔ではなく背中を見ている。部下は上司の顔ではなく背中を見ている。」

 

スポーツから学んだという『勝者の思考法』は、全てに通じるものであると思いました。大変有意義な機会であり、自らを見つめる機会としたいと思います。

 

 

以上

 

企画開発部・研修部 松本賢一